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「シェアオフィス」「レンタルオフィス」「コワーキングスペース」。調べ始めると似た言葉が並んでいて、違いが分からなくなります。結論から言うと、これらの言葉に業界共通の厳密な定義はありません。だから言葉で絞り込もうとすると迷います。この記事では、名前ではなく機能で比較する方法を整理します。
結論:言葉の定義は統一されていない
先に身も蓋もないことを書きます。
これらの言葉は、サービスを提供する会社ごとに使い方が違います。同じ設備を「シェアオフィス」と呼ぶところもあれば「レンタルオフィス」と呼ぶところもある。実際、大手のサービスでも自社を「レンタルオフィス・シェアオフィス」と両方の言葉で併記していることがあります。
つまり、言葉で候補を絞り込もうとすると取りこぼします。「シェアオフィス」で検索して出てこなかったサービスが、「レンタルオフィス」では出てくる、ということが普通に起こります。
見るべきは名前ではなく機能です。後半でその軸を示します。
それぞれの言葉が一般にどう使われているか
厳密な定義はないと書きましたが、おおまかな傾向はあります。あくまで「そう使われることが多い」という程度に受け取ってください。
| 言葉 | よくある使われ方 |
|---|---|
| コワーキングスペース | 仕切りのない共有空間。個人の利用も多く、利用者同士の交流を打ち出すところもある |
| シェアオフィス | 共有スペースが中心。個室を併設していることもある。法人での利用が多い |
| レンタルオフィス | 個室を借りる形式。家具や通信回線が最初から用意されている |
| バーチャルオフィス | 作業する席はなく、住所や電話番号だけを借りる |
もうひとつ、サテライトオフィスという言葉もよく出てきますが、これは少し性質が違います。本社以外に設ける拠点という「位置づけ」を指す言葉で、場所の種類ではありません。上のどの形式を使っても、本社以外の拠点として使えばサテライトオフィスになります。
社内でこの言葉が飛び交って混乱しているなら、まず「場所の種類の話なのか、拠点の位置づけの話なのか」を切り分けると整理しやすくなります。
名前ではなく「4つの機能」で比較する
候補を並べるときは、次の4点で見ると比較できます。名前が何であれ、この軸なら横に並べられます。
| 見る軸 | 選択肢 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 専有スペース | 自社専用の固定席・個室を持つ / 空いている席を都度使う | 荷物を置いたままにしたい、席を必ず確保したいなら専有 |
| 法人登記 | できる / できない | 登記が目的なら最重要。同じサービスでもプランによって可否が変わることがある |
| 使える拠点 | 契約した1拠点のみ / 複数拠点を利用可 | 出張・外出が多いなら複数拠点。全員が同じ場所に集まるなら1拠点で足りる |
| 課金方式 | 従量課金 / 月額定額 | 利用量が読めないうちは従量、毎日使うと分かっているなら定額 |
特に注意したいのが2つ目です。契約後に「このプランでは登記できない」と分かると計画の調整が必要になるので、サービス単位ではなくプラン単位で確認してください。
この4つを埋めれば、名前の違いは気にしなくてよくなります。
社内で説明するときも、言葉より機能で書く
これは稟議を通す側の話です。
「シェアオフィスを契約したい」と稟議書に書くと、読む人によって想像するものが変わります。個室を思い浮かべる人もいれば、カフェのような空間を思い浮かべる人もいる。上司から「それってバーチャルオフィスみたいなもの?」と聞かれたら、それは言葉が原因です。
先ほどの4項目で書けば、この誤解は起きません。
○○拠点に専有個室を4席、月額固定。法人登記あり。他拠点も従量課金で利用可
言葉は1つも使っていませんが、何を契約するのかは正確に伝わります。稟議で止まる理由の一部は、実は用語の曖昧さだと思います。
こういう会社には向かない
正直に書くと、そもそもこのカテゴリ自体が不要なケースがあります。
住所と郵便物の対応だけが目的の場合 作業する場所が要らないなら、バーチャルオフィスで足ります。席や設備が付いたサービスを契約すると、使わない機能にお金を払うことになります。
全社員が毎日、同じ場所に常駐する場合 人数分の席を確保する前提だと費用がかさみ、通常のオフィス賃貸の方が安くなることがあります。共有型が効くのは「全員が同時に出社するわけではない」場合です。
特殊な設備や大型の機材が必要な場合 持ち込みや設置に制約があることが多いので、そもそも要件を満たせません。
なお、日々の使い勝手が気になる方はシェアオフィスの音の実態をまとめた記事もあわせてご覧ください。共有スペース中心のプランを選ぶ場合は、判断材料になると思います。
問い合わせ前に確認しておくこと
候補が絞れたら、次の4点を確認しておくと話が早くなります。先ほどの機能軸とそのまま対応しています。
- 検討しているプランで法人登記ができるか(プランによって異なることがあります)
- 専有と共有のどちらが必要か(社員の働き方によって変わります)
- 使いたい拠点は1つで足りるか、複数必要か
- 契約の単位は席数か人数か(増減のしやすさに関わります)
ここまで整理できていれば、問い合わせたときの話が具体的になります。担当者から何を聞かれるかについては別の記事にまとめています。